2013年7月29日月曜日

神秘思想と科学への興味

中学生・高校生の頃と言えば,「カバラ数秘術」という本も読んでいました.

 これは,一言で言えば「占い」で,誕生日の数をある特殊なやり方で足し合わせていくと,一つの数になり,その数によって運命や性格を分類しようとする考え方で,結構面白かったように思います.私の場合は,占いにとどまらず,その思想的背景についても興味を持ち,結構分厚くて難しそうな本を取り寄せて,読んでいたように思います.

 今となっては,よく思い出せませんが,カバラというのはユダヤの神秘思想で,神による天地創造を説明したものだったかと思います.最初に神が創った神人「アダム・カドモン」であるとか,最近「エヴァンゲリオン」というアニメでも出てきた「生命の樹」の話とかが出てくる,そういう神秘思想の本でした.

 神秘思想の近くにはオカルト思想というものもあるわけですが,知らない人は荒唐無稽であるとか信じられないとか言うかもしれません.ですが,あらかじめ前提知識が無い状態,あるいは中学・高校生の時のように頭が固くない時期にその思想に触れた人にとっては,結構科学的な感じを受けるものです.

 それもそのはず,神秘思想あるいはオカルトというものは,科学があまり発達していない時代の人々にとっては,それこそが科学そのものだったわけです.今は占いの一種である「占星術」も,昔は「ヘルメス思想」と呼ばれる神秘思想の一部であったわけです.

 その思想の考え方は,宇宙を機械的に捉えるのではなく,生き物であると捉えます.山から様々な金属が産出されるのは,人間の皮膚にニキビができるのと同じではないか?というわけです.

 もう一つはミクロコスモスとマクロコスモスとの間には類比関係がある,という考え方です.つまり,天空の星の動き(マクロコスモス)が,地上の人間の人生(ミクロコスモス)に影響を与えるということが,「科学的な法則」と考えられていたわけです.一方,天空の星々の動きと物質の元素の間にも,何らかの関連があるに違いない,そういう信念の元に錬金術の研究が行われてきたわけです.

 この占星術と錬金術は進化し,現代では天文学と化学と呼ばれています.天文学で「マーキュリー」と言えば太陽に一番近い惑星である「水星」のことを指しますが,化学における「マーキュリー」は「水銀,Hg」のことです.両者は関係があると考えられていたのです.

 ですから,当時科学にも興味があった私にとっては,神秘思想と科学は同じ思想から分かれたものであり,その本質は変わらないのではないか?と考えるようになっていきました.

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