2013年7月29日月曜日

思春期は神秘を感じる年頃

 1987~9年頃だったでしょうか,私が高校生の頃です.私はよく本を読む生徒でした.東京の,割と有名な中高一貫校に通っていましたので,通学には電車を使っていました.電車の中では色々な本やマンガを読みました.私は理科が得意だったので,ブルーバックスをよく読んでいたかな.科学への関心は,宇宙論と量子力学に向かっていました.量子力学とは宇宙を支配する物理法則でもあり,幽霊のように振る舞う電子などの素粒子の世界について述べたもので,大変神秘的なものです.私は素粒子などのミクロの世界と銀河や宇宙論,ビックバンやブラックホールなどのマクロの世界の両方に興味と憧れ,神秘を感じていました.

 高校生の頃というのは思春期でもあり,感性が豊かで感動しやすいものです.ある日,手塚治虫の「ブッダ」を読んで,感動して泣いたこともあります.ここで,転生輪廻の考え方を知ったのかもしれません.鴨長明の「方丈記」を読んでも感動していました.「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」という,何とも言えない無常感に心が動くような,繊細な少年でした(今もそうだと思います.).

 ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」にも泣けました.パンを盗んだ罪で追われる身となり,様々な苦難に出会う主人公にハラハラしながら,読みふけりました.その中で,司教さんが主人公を人間不信から立ち直らせ,正直な人間として生まれ変わらせる,という話がありました.この話にはずいぶん感動して,宗教者の持つ「許しの心」に感動したりしました.

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