大川 ――気吹(いぶき)の狭霧(さぎり)を四方、天地に吹き棄てつつ結界の所作を自動的に行い続ける――(結界の式了る。)さらにこの本の中で,私が一番興味深いと思ったのは,やはり天之御中主之命が二体の悪魔を追い払う場面です.これはなかなかカッコイイので,以下,その迫力を味わってみて下さい.
――天照大神である。天照であります――。
大川 招霊の詔。――
二拍子音が続く。――
御中主 天之御中主である――。
善川 御中主の神であられますか。過日は有難いお訓えを種々賜りましてありがとうございました。私どもは諸聖賢のお教えを承ろうと思いまして中国の孔子様をお招きしようとしたところ、魔界の者の邪魔が入りましてお招き出来なかったのですが……。
御中主 魔界のものが今もこの近くに来ております。二名、一名はルシフェルと称する者、いま一名は×××と称する者、われわれの仕事を見張っております。
善川 かつてよりあなた方がご指導されている教団(注:生長の家)には、彼らは近づかなかったのでしょうか。
御中主 彼らは魂系団が違うので近寄っては来ておりません。
善川 そうですか。それではあなた方直系のご指導は、何の妨害もなくストレートに伝わっているのでしょうか。
御中主 また別のサワリというか、邪魔をするものが居るわけであるが、彼らは、ルシフェルというものは、キリスト教の神々と戦ってきているし、×××というのは仏教系でありましょう。
善川 これらのサワリの連中はなかなか済度しがたいものでありましょうか。
御中主 非常にむずかしいものであります。
善川 彼らは何か目的をもっているのでしょうか……。
御中主 彼らに聞いてみなければわかりません。
善川 彼らは何の目的もなくただ邪魔をする、嫌がらせをする、そして、やがてわれらを誑(たぶら)かし、惑わしに遭わせようと企んで居るように思われますが、今あなた様をお招きした時は、あなた様が直にお出で下さったのですが、彼らは邪魔はできなかったのでしょうか。
御中主 私の力が強いからです。×××などに負けるような私ではないのです。私は日本神道系の大黒柱の一人です。そのようなものに負けるような私ではないのです。数百年か、千年ぐらい前に肉体を持ったような人間が地獄に迷ったところで、わが惟神(かんながら)の神の道の基礎を創りたるわれらが邪魔はできないのです。
善川 ルシフェルについては如何でしょうか。
御中主 あれは異国のサタンです。異国のサタンよ退きなさい!あなた方はわが国土に入ることは許されていない!!
善川 ありがとうございます。(後略)
いかがでしたでしょうか?天之御中主の神様の言葉,とってもカッコ良くないですか?これが,「神」の力強さ,威厳なのかと思うと,もう御中主のファンになってしまう気持ちもわからなくはないですよね.ルシフェルは有名な,キリスト教最大の悪魔です.×××は伏せ字になっていますが,平安時代に活躍した真言宗の僧侶・覚鑁(かくばん)のことで,この本に登場したおかげで幸福の科学では悪魔として有名になりました.
悪霊は地獄で「迷っている」存在であるのに対し,悪魔は積極的に悪事をはたらき,神様と対決する存在で,より深い地獄にいるとされ,説得は非常に困難であると言われています.なぜ彼らは登場したのでしょうか?
幸福の科学では,光の指導霊が悟りを開き,その教えを広げようとするとき,必ず悪魔が妨害しに来ると言われています.つまり,この宗教が広まって「悪想念」,つまり人々が考えている「悪い思い」がなくなれば,その悪想念をエネルギー源として活動する悪魔は大変困ってしまうわけです.それゆえ,彼らは正しい宗教が広まらないように邪魔をしに来るというわけです.